
こんにちは。YUE.です。
今回は、天沢夏月さんの小説を3冊紹介します。
天沢夏月さんは、「タイトルに月が入っているシリーズ」などの感動的な物語から、「DOUBELS!!ーダブルスー」などの熱い青春物語まで、幅広いジャンルの小説を書かれています。
泣けるような結末なのに、どこか不思議な雰囲気をもつミステリのような作品もあり、そのような部分に惹かれました。
この記事では、天沢夏月さんの小説6冊を読んだ私が厳選した、感動系の3冊を紹介します。
この記事を読めば、天沢夏月さんの小説が好きになると思いますし、本選びの視野も広がりますよ!
気になるタイトルが見つかった方は、是非目次から飛んで読んでいって下さいね。
プロフィール
1990年生まれ。2012年「サマー・ランサー」が第19回電撃小説大賞で《選考委員奨励賞》を受賞し、デビュー。高校生などの青春群像を瑞々しい感性で描く。他著書に『そして、君のいない九月がくる』「八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。』(メディアワークス文庫)などがある。
「その終末に君はいない。」より引用
天沢夏月さんの小説に虜になってしまった理由は、読み終わった後もずっと頭にストーリーが残り続けているからです。
余韻がめちゃくちゃ良いんですよね〜。
どの作品もストーリーが今までにないようなものばかりで、読んでいて飽きません。
読めば読むほど虜になってしまいそうです。
天沢夏月さんの書く物語は、一瞬の出来事ではなくて、主人公が生きていく中での感情が褪せていくようなところまでが描かれています。
学生時代に経験した思い出が、大人になった今蘇ってくるような、そんな感覚です。
時間の経過で、思い出は色褪せていくものですが、その色の褪せ方がめちゃくちゃ繊細で美しいところが魅力です。
それが、天沢夏月さんの感性なんだろうな、と私は思っています。
とにかく、どの作品もとても内容が濃くて面白いものになっているので、ぜひ参考にして下さいね。
私が読んだ小説3冊はこちら↓(今回紹介するもの以外)
その他熱い青春系のストーリーはこちら↓
八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。
あらすじ↓
本当に好きだった。こんなにも人を好きになることは、この先一生ないだろうとさえ思った。言葉や仕草の一つ一つ、ちょっとした表情の変化、笑い声、髪から香る石鹸のにおい……思い出すと息が苦しくなる。まるで肺の中に、炭酸でも入っているみたいに。
――透子。
高校二年の夏。心臓の病が原因でなくなった彼女のことを、未だ引きずっていた成吾。
あれから四年。交換日記の空白に綴られていく新しい返事。それは見間違えようもなく、透子の文字だった。
「八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。」Amazonサイト
まず初めに紹介するのは、私のなかで一番お気に入りのストーリーです。
この小説は読んでから時間が経っても、ずっと心の中に結末が残っています。
そのくらい、インパクトがある作品です。
これは無くなったはずの恋人 透子と連絡を取れるようになるという、非現実的な出来事が起こるのですが、今の自分自身にグッときた作品です。
この物語を読んで、人を想う力の偉大さを感じました。
成吾は、透子のことを一番に思っていて、透子もまた成吾を思っているところが、愛で溢れています。
でも、人を想うというのは恋人だけに言えるのではありません。
今日まで会ったことすらなかった人にも、それは通用するのです。
そんな優しさで溢れた心を持った透子だからこそ、自分を犠牲にしてまで命を助けようとしたのだと思います。
その勇気と心強さに、成吾はまた惚れてしまうんですよね〜。
なんて切ないんだろう!と思います。
たった40日で終わってしまった恋を描いたものですが、読んでいる私には流れる月日が短いようで長くて、広い世界の中へ潜り込んだような感覚でした。
あっという間に読めてしまうと思います。
ずっと結末が忘れられなくて、また手に取ってページを捲りたいと思える小説です。
よろしければ是非↓
七月のテロメアが尽きるまで
あらすじ↓
人付き合いを避け生きてきた高校生の内村秀は、ある日クラスメイトの飯山直佳が落としたUSBメモリを拾う。その中身、「遺書」を見てしまったことから、奇妙な交流は始まった。やがて秀は直佳が進行性の記憶障害を患い、自殺を願っていることを知り……。
「君が死ぬときは、僕も死ぬ。それが嫌なら君は生き続けろ」
「……内村くん、すごく馬鹿なこと言ってる自覚は?」
約束に隠された本当の想いを知った時、きっと最初からページをめくりたくなる。切なく美しい物語。
「七月のテロメアが尽きるまで」Amazonサイト
続いて紹介する作品も、物語の中に引き込まれてあっという間に読める作品です。
天沢夏月さんは、ストーリーが簡潔に伝わるような書き方で、且つ、感情をリアルに描写されています。
なので読み手の私にはストレスがなく、スムーズに読み進められます。
作中で、雨に関する描写が出てくるのですが、人の感情は雨に抱く感情に似ているというのはまさにその通りだと感じました。
複雑で色々な捉え方があり、それは人それぞれだということです。
その人のことが好きなら、ずっと一緒にいたのは当然で、隠し事なんてしてほしくないですよね。
ストーリーの後半、秀と直佳ともう一人の人物が登場したことで、事態は一変しさらに面白く盛り上がっていきます。
是非読んでみて下さい。きっと記憶に褪せることなく残り続けるでしょう。
そして、君のいない九月がくる
最後に紹介するのは、愛と青春とミステリが全て綺麗に混ざり合った作品です。
あらすじ↓
その夏、恵太が死んだ。
幼いころからずっと恵太と一緒に育った美穂と、仲良しグループだった大輝、舜、莉乃たちは、ショックから立ち直れないまま呆然とした夏休みを送っていた。
そんなある日、美穂たちの前に現れたのは、死んだ恵太に瓜二つの少年、ケイ。
「君たちに頼みがある。僕が死んだ場所まで来てほしい」
戸惑いながらも、美穂たちは恵太の足跡を辿る旅に出る。
旅の中でそれぞれが吐き出す恵太への秘めた想い。嘘。嫉妬。後悔。恋心。そして旅の終わりに待つ、意外な結末とは――。
隠された想いを巡る、青春ミステリ。
ミステリー要素が入った作品は、ほとんど読んだことがなく、また優しい恋愛とミステリが絡み合うストーリーの発想が素晴らしいと思います。
正直、初めは私がミステリー系の作品に読み慣れていないということもあり、読みづらい場面もありました。
しかし、読み進めていくうちにどんどんそのシーンに引き込まれていきました。
「八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。」でも紹介させていただいたように、人を想う気持ちが全面に溢れ出ています。
天沢夏月さんが描く人想いの主人公は、本当に印象深いです。
死んだ恵太に瓜二つのケイを信じて、旅に出た美穂たちが最後にたどり着いた場所は想定外の場所で、全ての疑問が解かれます。
全ては恵太の優しさで成り立っていたというのが、すごくよく伝わりました。
読了後にタイトルを振り返ってみると、またそのタイトルが胸に沁みます。
そして、この物語のエモさと表紙のイラストがとてもマッチしていて、最高です。
読了後は、秋風のようなスッと肌寒いような余韻を感じました。
内容、タイトル、表紙、全てに満足した気分です。
まだ読んだことがない方には是非読んでいただきたい小説です。
いかがでしたか?
少しでも天沢夏月さんの小説に興味を持ってくださったら、是非一冊でも読んでみてはどうでしょうか。感性と世界観に圧倒されると思いますよ。
他にも素敵な作品をたくさん書かれているので、チェックしてみて下さいね↓
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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