【話題】市川沙央「ハンチバック」あらすじ・正直な感想・ネタバレを紹介!

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 こんにちは。ゆえです。

2023年芥川賞を受賞した作品「ハンチバック」の紹介をします。

作者 市川沙央さんと同じ、先天性ミオパチーを患う主人公の憎み、恨みが赤裸々に綴られた作品。

ですが、ただ憎みを書きたかっただけじゃないと感じています。

もっと深い意味が込められた作品だと思うので、そこを紹介・解説します!

過激な性的描写が含まれるので、苦手な方は注意してください。

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ハンチバック概要

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タイトル:ハンチバック

作者:市川沙央

出版:文藝春秋

発行:2023年6月30日

2023年芥川賞受賞文學界新人賞受賞!

本作が処女作。

市川沙央さんについて

 20代から20年以上小説の執筆を続け、応募し続けた女性の小説家。

現在(2023年10月)43歳。

先天性ミオパチーによる症候性側弯症を患っている。

あらすじ

 背骨が湾曲している病を抱える釈華は、グループホームで暮らしている。

人との会話や読書にも不便な体を憎みつつ、中絶したいという願いをツイッターに投稿していた。

しかし、その投稿をグループホームのスタッフ 田中に知られてしまう。

将来は高級娼婦になりたい、と思いコタツ記事を書いてお金を稼ぐ彼女のすべてが綴られた一冊。

そして、障害についてのリアルな感情が痛いほど伝わり、現実と妄想が絡み合う物語

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正直な感想

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 一言でいえば、理解できないほどリアルで刺激が強い作品でした。

この描写が苦手な方は、すぐに読むのをやめた方がいいです。

でも、この作品を読むことには意味があると思いました。

私が感じた正直な感想と、考察を紹介しています↓

ハンチバックとは

 作中では、ハンチバックのことをせむしと言っています。

せむしとは、釈華のような障害をもつ人を表す一種の差別用語

実際に市川沙央さんも、この障害を抱えています。

そのため、敢えてこの言葉を使ったのには訳があると考えています。

差別用語を使うことで、より障害への憎みが強調されているように感じます。

ストーリーについての感想

 まず、障害を抱えている人の“正直な気持ち”を、こんなにもダイレクトに綴った作品を初めて読みました。

私が考えられるような領域ではなくて、その体で生きる人の心情が痛いほど強く伝わります。

私が意見を言えるような立場ではないし、同情もできず批判もできない、というのが強く感じたことです。

もちろん人によって、障害や病に対する感情は違うと思います。

釈華が感じていた感情は私たちの常識を覆します。

会話も読書も睡眠も、生きるすべての行為が自分の体に負荷をかけます。

“私の身体は生きるために壊れてきた”

帯に記載されるこの言葉が、読了後にグッと刺さりました。

まさにその通り、私が何気なくしている動作も彼女には大きな負荷をかける。

ただ恨みを綴った作品ではない、深い意味があるからこそ選ばれた作品なのだと感じました。

私が感じた意味は、“ネタバレ”で紹介しています。

読みやすさ

 あらすじを読んで、長編作品を予想していましたが、96ページと100ページに満たない作品です。

そのため、内容は過激でしたがすぐに読み切れました。

現実と妄想が絡み合っているので、どこが事実でどこが架空の描写なのか分からなくなることもありました。

それと、難しい漢字が使われていることが多かったので大人向けの作品です。

過激な性的描写も含まれているので、注意してください。

この薄さでも内容が深く、強く印象に残りました。

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ネタバレ

 釈華が作中で書く小説に、“紗花(しゃか)”という女性が登場します。

ラストの紗花の話は、釈華が書いた創作で、妄想の中だと考えられます。

妄想で子供をもった人を書くことで、自分の願いを叶えさせ、自分自身を殺そうとしたのかなと思いました。

実際に作中では何度も死にたい、と思う釈華の姿が描かれます。

最後に

 一度読んだらしばらくは印象に強く残り続けます。

そのくらい、刺激の強い作品です。

興味がある方は読んでみてください。

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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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