ヤングケアラー。
言葉で説明できますか?
なんとなく、しか知らない人がほとんどでしょう。
「私はヤングケアラーかも」
そう思う人もいると思います。
こんにちは。YUE.です。
今回は、漫画『私だけ年をとっているみたいだ。〜ヤングケアラーの再生日記』
を紹介します。
この漫画は読んで損はありません!
なぜなら、ヤングケアラーの問題は人ごとでないからです。
ヤングケアラーってどんな人?
そんな疑問から、この本の
・分かりやすさ
・大きな特徴
まで解説します!
この記事を読めば、あなたもこの問題をもっと知りたくなるはずです。
ヤングケアラーに関する疑問は、この一冊で解決するといっても良いです。
では早速紹介します!
ヤングケアラーって何?
大人が担うような家事や家族の介護・看病・世話を日常的に行っている子どものこと。
本書から引用
この本の特徴
それは、ヤングケアラーの
・リアルな心理
・リアルな生活
が理解できる点にあります。
実際に、この本はフィクション作品ではありますが、2年の取材をもとにした限りなくノンフィクションに近い作品です。
そのため、リアルな心理・生活が綴られています。
子どもの頃の生活はどんなものか
ここからは、実際に本書に記載されている出来事を紹介します。
自身をロボットだと思う。
小学生の女の子を中心に描かれるストーリー。
女の子の母は、
統合失調症
と呼ばれる精神病にかかっていました。
精神が不安定で、ネガティブになり、暴力・暴言が日常茶飯事。
すると、女の子は
『ロボットになる』
ことを覚えます。
ロボットになれば、
辛い感情もない。
手をあげられても痛くない。
そうして、毎日を送っている様子が描かれます。
感情を無くす。
女の子は、感情が無い方が楽なことにも気付きます。
この本の後半では、ヤングケアラー同士が交流する場面があります。
そこで語られていましたが、幼い頃にそのような経験をした人は
「ご飯が美味しい」
「楽しい」
のような感情を忘れてしまうそうです。
子どものころから家事や世話に追われているので、遊ぶ暇もありません。
相談しても無駄。
睡眠不足で体調が悪くなり、保健室で休んでいた女の子。
そこで、初めて先生に家のことを相談しました。
「もしかしたら、何か変わるかもしれない。」
そんな僅かな期待を抱きながら。
しかし、相談した先生は立場的に行動を起こせず、事態は変わらぬままでした。
それから、相談することを辞めました。
聞くことが得意。
病気の母をヒステリックにさせない為に、女の子は毎日母の話を聞いています。
自分の考えを言うことはなく、ただ、聞くだけです。
すると、学校でも
「話を聞くのが上手ね」
と褒められる場面がありました。
その裏には、彼女の傷が隠れていたのです。
限界でうつになる。
女の子が高校生になった頃、彼女はうつを発症します。
夜も十分に眠れず、家事に追われ、妄想で母を殺す毎日を送っていたなら仕方がないことでした。
当時、彼女には父と弟がいました。
父は家族に目を向けず、弟は家事を手伝わなかったため、家のことは全て彼女に任せきりだったのです。
病院で久々にゆっくり眠れた彼女は、少しずつ感情を取り戻していきます。
自分のために泣けない。
病院で何もしないまま過ごす日々。
そこでやっと、自分が無理をしていたことに気付くのです。
人のために泣いてきた彼女。
自分へ、
「頑張った。」
と泣ける日が来たのです。
感情を取り戻しはじめた証拠です。
感情を閉じ込めたまま生活するなんて、私自身、理解が追いつきませんでした。
自分が育ってきた環境が恵まれてすぎていることを感じます。
大人になってからのこと。
子供の頃の苦悩から解放された後も、影響は残り続けます。
大人になっても、私たちから思う「普通」にはなれないのです。
人を頼れない。
女の子は大学へ進学後、医療関連の仕事に就きます。
そこでは、患者さんを助けるためにチームワークが必要でした。
しかし、子供の頃からひとりで乗り越えてきた彼女は、人に頼れなかったのです。
大人になったヤングケアラーは、ひとりで抱え込む場合が多いそうです。
やがて彼女は、親切な仲間と「人に頼る」ことを覚えていきます。
ふつうの家族が夢みたい。
女の子には、恋人ができ結婚しました。
女の子を出産し、一つの家庭で暮らすことになったのです。
そこで、幸せすぎる毎日に驚きが隠せない彼女。
家事は夫が手伝ってくれる。
暴力を振るってくる人がいない。
そんな毎日で、遊園地に出かけた時なんかは、「夢みたい」と感じたそうです。
子育てでのフラッシュバック
子育てしていくうち、避けられないのが「フラッシュバック」です。
幼い子供を自分と比較し、母から虐待を受けていたらその記憶がよみがえってくる場面があります。
全く理解できませんし、理解する必要はないと思います。
ですが、このような事実があることを知っておくのはひとつ、大切なことなのではないでしょうか。
幸い彼女は、娘に手をあげることはなく、子育てをしていきます。
楽しさを知っていく。
最後に彼女が知ったのは、
・人と関わる温かさ
・人の優しさ
・楽しさ
です。
段々過去から離れ、前向きに生きていく彼女が輝いていました。
本書記載の支援団体
最後には、ヤングケアラーを支える団体がいくつか掲載されていました。
少しでも当てはまる、と思った方は調べてみると良いかもしれません。
《マザーズ・ダイアローグ・カフェ》
《ぷるすあるは》

《CAN》
《こどもぴあ》

《みんなねっと》
最後に
ヤングケアラーについて知りたい方には、この一冊は絶対オススメです!
一冊で、こんなに内容の深い本には今まで出会ったことがありません。
読んで損はありませんよ!
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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