『今夜、世界からこの涙が消えても』待望の続編を紹介!あらすじやネタバレ含む感想、解説

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 こんにちは。YUE.です。
今回は、以前ブログ内で紹介した『今夜、世界からこの恋が消えても』続編『今夜、世界からこの涙が消えても』が発売されたということで、紹介させていただきます。

前半では小説の概要(あらすじ等)を、後半では私自身の正直な感想を書いています!

この記事は、

・一条岬さんの新作ってどんな話?
・「セカコイ」とは何が違うの?
・続編ってどういうところが良いの?

という疑問を解決できます!

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 「今夜、世界からこの恋が消えても」概要と感想

『今夜、世界からこの恋が消えても』公式サイト(映画上映情報等)はこちら↓

 https://sekakoi-movie.toho.co.jp

概要

あらすじ

僕の大学生活は平凡だった。綿矢先輩と出会うまでは――。
「先輩って大恋愛とかしたことなさそうですよね」「君が知らないだけだよ」。そんな会話から始まった勢い任せの告白。
しかし先輩は“私を本気で好きにならないこと”を条件に告白を受け入れるという。
そうして始まった儚い恋人ごっこ。浮かれていた僕はやがて知る――先輩が“忘れられない恋”を抱えていることを。時折見せる悲しい表情のわけをどうしても知りたくなった僕は、偶然出会った、先輩の高校時代の親友・日野真織に声をかけるのだが……。

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 続編では、真織の親友 綿矢泉が主人公として物語が展開されています。

大学へ進学した泉は今も、傍で真織を支えていました。

そんな泉のリアルな心情を描いたのが、今回の続編です。

泉はいつも真織のことを一番に考えて、自分の気持ちは二の次にするような、優しい人物です。

この続編でも、泉の優しさが溢れ出ています。

前編では明かされることなく終わった、泉の気持ちが続編で描かれています。

詳しい説明は“わたしなりの解説”で、お話しします。

出版・著者・ページ数

出版:KADOKAWA

著者:一条岬

ページ数:272ページ

前編と同じような文庫本で、読みやすい形となっています。
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感想

前編との違い

 まず、前編では真織が主人公で物語が進んでいます。

真織や泉は高校生で、真織の恋人 神谷透と共に過ごす3人が、繊細に描かれています。

真織と透の優しさと恋心がメインとなっていて、THE恋愛小説といった感じです。

対して、今回発売された続編では主人公は親友の綿矢泉です。

また、高校は卒業し泉が大学で過ごしている場面が多く登場します。

ちなみに、真織は好きだった絵を勉強しています。

神谷透は、前編のラストで心臓の病気の為亡くなっています。

続編は、泉の気持ちや葛藤が描かれた、奥が深い小説となっているなと感じました。

わたしなりの解説(※ネタバレ含む)

 泉は本当に真織のことが大好きで、ずっと一緒にいたい存在だったんだなぁということが、続編ではとてもよく伝わってきます。

たとえ、もう忘れることのできない大切な存在が親友の恋人でも____。

泉は、真織と透と共に過ごすうちに透への恋心に気がついてしまいます。

それを自覚してしまったら、忘れることはできませんでした。

しかし、泉にとって大切なのは真織と透の二人で、どちらかが欠けるというのは泉にとって耐えきれないほどのことです。

また、透は真織のことが大好きだ、と話しているので恋が実らないこともわかっていました。

 こんなに悲しいことって、あるのでしょうか。

真織は記憶障害で泉がいなければ生活できません。

透も真織のことが好きで記憶障害のことを知りながら、助け合って生活していたのですが、自身の病気で亡くなってしまいます。

泉は、二人を守るために自分の気持ちを捨てる他、ありませんでした。

神谷透を忘れるために、泉は大学である人物と付き合い始めます。

 それが、成瀬透という人物です。

成瀬透は、大学で見かけた泉のことが好きでアプローチし続けていました。

泉が本気で自分のことを好きじゃないということを知りながら、泉と付き合う選択をします。

一緒に過ごすうち、成瀬透は泉が悲しい過去を持っているのだということを知って、偶然あった真織に声をかけるのです。

そして、真織と成瀬透は泉の気持ちに気がついてしまいました。

泉はそれを必死に隠そうとします。

真織の記憶から神谷透を消したはずなのに、真織は透のことを尋ねてきたのだから。

しかし、泉は焦った挙句、成瀬透に真実を話すことを決めます。

 忘れたくないなら、忘れなくていい___。

心が限界を迎えていた泉を救ったのは成瀬透でした。

カメラで写真を撮ることが好きだった成瀬透は、泉が応募するという小説コンテストの写真部門に、自身の写真を応募し、見事佳作を取ることができます。

 もう付き合っていない二人ですが、過去を通して泉の気持ちに向き合うことができた、というのが結末です。

感想

 この作品は、さまざまな登場人物の関係が複雑に描かれていて、感情が絡まり合うような物語でした。

続編を読んでから、前編を読んでみる、というのも楽しみ方の一つだと思いますよ!

わたしは前編と、映画を観て、元々好きなキャラクターが綿矢泉だったので、今回泉が中心の続編が出版されてとても嬉しいです。

しかも、前編では明かされなかった泉の本当の気持ちも味わうことができたので、とても満足です。

泉は自分の気持ちを捨ててまで、真織と透を守ろうとしたシーンが印象に残っています。

成瀬透の泉への一途さも、読みどころです!

成瀬透もまた、自分の中途半端な過去に悩まされた毎日を過ごしていました。

泉の思いに動かされ、好きだった写真にもう一度挑戦してみようと考えられるようになったのです。

“過去は変えられない”という言葉をよく聞きます。

確かに、過去に戻ってやり直すことはできませんが、その過去の自分に戻ってやり直すというのは可能なのではないかと私は思っています。

成瀬透のように中途半端で終わった心残りを、今からやり直すことならできると思いますし、過去に出会った誰かに会いに行くというのもできます。(もちろん今世界に存在している人に、ですが)

だから、今の自分に絶望して毎日を過ごすくらいなら、何か行動してみませんか。

というような、勇気や希望をもらえるような作品でしたよ。

この物語は、2冊合わせて一つのストーリーだと考えているので、是非2冊ともを楽しんでもらいたいです!

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いかがでしたか?
「この小説気になる!」と思っていただけたら、とても嬉しいです。
一条岬さんの他の小説を是非チェックしてみてくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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