もうすぐ今年も終わりますね。
（執筆時：2022.12.30）
こんにちは。YUE.です。
あなたは今年どれだけの小説を読みましたか？
今回は、私が今年読んだ小説の中からランキング形式でトップ10を紹介します！
どれも印象的だったので、選ぶのが大変でした…。
この記事を読んだ方に、素敵な小説と出会ってもらえると嬉しいです。
1位の小説から紹介していきますが、あくまで私の意見なので、是非10位まで読んでくださると幸いです。
あらすじや、感想を含めて紹介します！
第1位 夜に星を放つ
【直木賞受賞作！】
星をテーマに、人の心を繊細に描いた5編の短編集。
《真夜中のアボカド》
出会い系アプリで出会った恋人。
この生活が毎日続くと思っていた。
コロナや恋人が隠していた秘密、そして自分自身の過去…
全てが重なって壊れた、幸せな日々とは。
・過去から立ち直れない女性が、前へ進む決心をしたとき、こんな選択肢もあるんだと思いました。
《銀紙色のアンタレス》
16歳の真は、夏休みを祖母の家で過ごすことに。
数年ぶりに会う幼馴染 朝日と、新たに出会った たえさん。
思春期真っ只中、真の複雑な感情を描くひと夏。
・夏の新鮮さと、複雑な感情が入り混じる思い出深い夏休みを味わえました。
学生時代の懐かしさが、よみがえってくるかもしれません。
《真珠星スピカ》
母親の幽霊が見えるいじめられっ子の主人公。
多忙な父には相談できず、保健室登校になっていたが、母の存在で少しずつ前向きになるように。
亡くなった母が娘へ元気を贈る、「家族」の物語。
・私が一番気に入ったストーリーです。
両親の温かい愛情を感じられた気がしました。
《湿りの海》
離婚した妻と娘はアメリカに行ってしまい、独り日本に取り残された夫。
隣に引っ越してきたシングルマザーと距離が縮まり、生きがいを感じるようになる。
しかしある日、そのシングルマザーの子供に痣を見つけてしまい…。
・「頼る」ことを考えさせられる一編です。
《星の隨に》
両親が離婚し、父との二人暮らしをしていた男の子に新しい家族ができる。
再婚相手の渚さんと、その子供の海君。
渚さんを「母さん」と呼べずにいる男の子。そんなとき、渚さんが育児が原因で病んでしまう。
学校から帰宅しても、家から閉め出される毎日を送る男の子に手を差し伸べたのは、戦争を経験した一人の女性だった。
・どこかの家族が壊れ、また再生していく物語です。
第2位 本屋さんのダイアナ
《あらすじ》
大きい穴、と書いてダイアナ。
幼い頃からその変わった名前と、外国人のような外見をしている自分が大嫌い。
そんなダイアナを助けてくれたのは、何もかも正反対の彩子だった。
唯一の共通点は、本が好きなこと。
ずっと一緒のはずだったが、彩子の中学受験を機に、ふたりの間には大きなヒビが入ってしまう。
ダイアナの母 ティアラの秘密も明らかになっていき…。
出会って別れて、再会するまでの友情を描いたガール・ミーツ・ガール。
《感想》
作中には「赤毛のアン」「秘密の花園」など、色んな本が登場します。
現代版「赤毛のアン」といえるほど、中心に進んでいきます。
大好きな友達と一緒に時間を過ごしたこと、きっとあなたにもあるのではないでしょうか。
懐かしさがよみがえり、母の偉大さを知れるストーリーです。
子供ながらに考えが大人な二人と、若くして子供を産んだが決して軸が揺るがないティアラが輝いて見えました。
第3位 お父さんはユーチューバー
《あらすじ》
宮古島に住む海香には、東京の美大に進学する夢があった。
父 勇吾はゲストハウスゆいまーるを経営しているが、それだけでは進学は難しい。
そんな時、勇吾はユーチューバーになることを決意する。
色んなことに手を出し、周りを巻き込んできた勇吾に海香は呆れたが、尋常でない熱量に驚くことになる。
勇吾はユーチューバーとして有名になり始め…。
全ては勇吾の過去と、海香の母が関係していた。
面白くて、感動必至の家族小説！
《感想》
訛りのある海香の喋り方が個人的に好きでした。
オモシロ要素もあり、感動要素もある家族小説で想像以上に面白かったです。
固い絆で結ばれている家族と、ゆいまーるの仲間たちにほっこりします。
何事もやってみないと分からない、と勇吾を応援した人たちのように、私も人を応援したいです。
後半、海香の家族に隠された衝撃の事実が明らかになるので、オススメです！
第4位 あの子の秘密
【児童文芸新人賞受賞作】
《あらすじ》
三つ編みにビーズをつけたおてんば転校生 明來は、見えない友達をもつ孤独な小夜子と出会う。
偶然、小夜子の秘密を知ってしまった明來だが、小夜子もまた「人に触れると心が見える」明來の秘密を知ってしまう。
ギクシャクした関係になっていた時、小夜子の「見えない友達」がいなくなってしまい、状況は一変。
どうにか小夜子を助けようとする明來。
「見えない友達」黒猫を探し出した画期的な方法とは！？
《感想》
「見えない友達」はイマジナリーフレンドとも言います。
実際に子供に起きやすい現象です。
互いの秘密を打ち明けあったことで、次の行動に進めるようになった場面に感動しました。
ラスト、明來が考えついた「信頼」が命の方法には驚きです。
全然予測できなくて、面白かったです。
思わず抱きしめたくなるような、素敵なストーリーです。
第5位 母性
《あらすじ》
女子高生が中庭で倒れているのが発見される。
母は、これに対して「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」と言葉を詰まらせた。
時は遡り11年前の台風の日、家族の幸せが突如として奪われたあの日、母は一番大切なものを失った。
事件は、事故か自殺か殺人か。
・母性について
・母の手記
・娘の回想
3つの章で語られるミステリー。
「信用できない」語り手が、真実を残す。
《感想》
母を信じ、愛して生きてきた母は、母を失ったとき全ての幸福までも失ってしまいます。
夫家族にいじめられ、息が詰まるような毎日を送っている母と娘の姿には胸が痛くなりました。
母の心がどんどん壊れていく様子には、怖さも感じました。
母からの愛を感じられない娘だけど、それでも母を愛し続ける様子に不思議な感覚を味わいました。
愛が恐怖に変わった瞬間を目の当たりにした感覚です。
第6位 わたしの美しい庭
《あらすじ》
幼く両親を亡くした小学生 百音は、血のつながらない父 統理と暮らしている。
ときどきやってくる料理上手の路有とも仲がいい。
しかし、どれだけ聞こえないフリをしても周りからの鋭い視線は突き刺さる。
それでも、自分達の人生を歩む3人に希望が溢れる。
《感想》
自身の性的指向を受け入れられない路有、
神社を継ぐことにした統理、
高校生で恋人を亡くした桃子、
30歳で鬱になって退職せざるを得なくなった基。
それぞれ違うものを抱えているけど、優しく協力し合う登場人物に心が温かくなりました。
個性を尊重した世界になれば、生きやすいのになぁと感じます。
第7位 流浪の月
《あらすじ》
我慢しない両親に育てられ、窮屈な伯母と暮らすことになった更紗は、大学生 文と数日を共に過ごす。
彼は教科書のような食事をとり、生活をし、規則正しすぎる人だった。
正反対の二人がそれぞれを楽しんでいたが、桃源郷のような生活も終わりを告げる。
加害者、被害者とレッテルを貼られた人生を歩むことになったふたり。
偽善の正義感で、自分達を締め付けるネット。
後に二人は再会するのだが…。
恋人みたいなことをしたくなんかなくて、ただ一緒にいたい。
《感想》
人同士の関係には、名前が付けられないものもあることに納得しました。
ただ一緒にいたいだけの二人を認めない社会は、おかしいですよね。
これは今の社会にもいえることです。
桃源郷のようなふたりの生活が、すごく愛おしいものになりました。
詳細はこちら↓
第8位 ののはな通信
《あらすじ》
のの（野々原茜）とはな（牧田はな）は、友人であり家族であり、恋人だった。
同じ学校に通いながら文通で通じるふたりの距離は縮まっていく。
ふたりでしかできない経験や話をして、かけがえのない存在をもったと感じていた。
そんな幸福で満ちていた日々も、いつかは終わりを告げる。
大人になった今、かろうじてメールで繋がっているがののにとってはなは、ずっと近い相手でもあり、一番遠い相手でもあった。
裏切りと愛、互いに依存し合うストーリー。
《感想》
これは、女の子同士の恋の物語です。
大人になったとき、ののは気づけば独りになっていて…。
全編書簡形式で書かれた女の子のすべてが、胸に刺さりました。
重くて熱い愛を知れて、よかったと思っています。
沢山の方に読んでいただきたいです。
この物語は、学生時代のほんのちょっとの記憶で、何でもないんだけど、鮮やかに残り続けています。
第9位 少年と犬
《あらすじ》
家族のために犯罪に手を染めた男は多聞と名付けた犬と、大切な日々を噛み締める。
やがて男は亡くなり、泥棒や体を売って生きる女、最期を悟ったかのように老人の元へと飼われる多聞。
利口すぎる多聞が、最後に辿り着いたのはひとりの少年だった。
どんな人に出会っても幸福を与えてきた多聞。
どうして多聞は何人もの人と暮らしてきたのか。
その真相が明らかになるとき、あなたは涙する。
《感想》
多聞が多くの人に生きがいを与え、人生を支えてきたように、犬には忠実さと凄まじさがあります。
犬はやっぱり最高の生き物で、その生き様には尊敬するばかりでした。
多聞の生き様を多くの人に読んでほしい。
素直にそう願っています。
本当に立派でした。
人間臭さと犬の逞しさが胸に残ります。
第10位 きみの存在を意識する
《あらすじ》
僕の姉は、本を読むのがとても苦手。
私には血のつながっていない弟がいる。
自分は、僕でも私でもなく、自分でありたい。
私は字を上手く書くことができない。
教室と人の匂いに過剰に反応してしまう。
目に見えない困難に立ち向かおうともがく、5人の中学生のストーリー。
《感想》
抱える悩みは目に見えないものがほとんどです。
だからそれを「言い訳」だとか「わがまま」だと言いがちだけど、本人は必死に向き合っているのを認めてほしいだけなのかも知れません。
みんなと同じにしないといけない場所で、子供は必死に隠していることがある。
そんなことを学ばされました。
怠けているからできないの？
あの子はわがままを言っている？
決めつけると、本当のことは見えなくなってしまう。
目をこらして、耳をすまして
君の存在を意識する。
本文より
最後に
ランキング形式で紹介しましたが、どれもあなたに読んでほしい小説です。
気になったものがあれば、是非読んでみてください。
本は人生で大切なことを学べる場所です。
あなたの視野も広がります！
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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